ストレートネック、首だけの問題ではない?

最近お困りの方が多い「ストレートネック」について、私たちの東洋医学的な視点も交えながら書いてみようと思います。

鍼灸院をやっていますと、様々な症状を診させていただくのですが

「首肩こりがひどくて、」と仰られる方の割合は高いです。

病院にてストレートネックと示唆されるも、

「痛み止めや湿布ではあまり効果がなくて…。」

「仕事をしている際に、腕の痛みが気になる」

「このままずっと付き合っていくしかないのかな」などと、初診でお問合せいただくこともあります。

一般的にストレートネックは、スマホやパソコンなどの長時間使用が起因に関わるとされます。

これだけ情報機器が普及している社会では仕方がないですよね。現代は、子ども時から首や肩に負担のかかる姿勢や習慣があたりまえになって気がします。

(子をもつ親として、やっぱり気になってます)  

首の自然なカーブがなくなり、まっすぐになってしまうことで、筋肉や神経に負担がかかり、肩こりや頭痛、手や肘の痛みしびれなどが現れるんですね。

でも、つらい部分だけをケアしても、本当の意味で“楽”にはなれません。私たち東洋医学では、もう少し「内側」にも目を向けます。

「首が前に出る姿勢」は、ただの姿勢が悪いではなく、心と身体の緊張状態を表していることもあるのです。

デスクワークで長時間同じ姿勢が続く、画面作業で目をよく使う、などは首や肩まわり、はたまた腰までの緊張にも繋がることがあります。

特に首・肩まわりは、「肝」と深く関わるエリア。

さらに東洋医学において肝は「ストレスを受け止める臓器」ともいわれていて、緊張や抑圧を感じると、筋肉が硬くなりやすいんです。

肝を整えるツボに施術をすることで、長時間デスクワークをしても首肩の緊張を発生を抑えられたり。

また、東洋医学では「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という3つの巡りの観点を大切にします。

気の巡りが滞りやすくなり、それがやがて血の巡りを悪くして、筋肉のこわばりや痛みとして現れてくることがあります。

東洋医学の視点を持って全身を整える際、体の内から整えて「不調の根っこ」にアプローチすることを一番大切に考えていくのです。

また「首は気血の通り道」とも言われ、全身とのつながりをとても大切に考えます。

私たちはつい、不調を「部分的」に見てしまいがちです。でも本当は、身体はすべてつながっていて、バランスがとても大切。

首の詰まりは、ただの筋肉疲労だけでなく、自律神経の乱れや内臓の働き、にまで影響すると考えられています。

単なる首の問題ではなく、「今の暮らしや心身からのサインかも」ととらえると、自律神経や内臓の健康にも意識を向けてケアすることにも繋がり、日常での体のパフォーマンスを上げることにもなってきます。

長期的な、体調維持や健康を保つことにもなるかもしれませんね。

もし、「なんとなく不調」が続いていたら、ぜひ一度、東洋医学や鍼灸の視点から身体を見直していただくと解決の糸口に繋がるかもしれません。